メルセデス・ベンツ300SL ガルウィング
レーシングカー由来のメカニズムと、印象的な“ガルウイング”。
メルセデスの高性能を世界に知らしめた傑作中の傑作!
1955年製の300SLクーペを細部まで忠実に再現した1/8スケールモデルキットです。高性能の象徴である直列6気筒の3ℓユニットはもちろん、印象的なガルウイングドア、角度切り替え可能なステアリングホイール、シート背後に置かれた専用トランクなど、ディテールまで詳細に再現しています。地球上で最も偉大なクルマの1台である300SLの魅力をぜひご体感ください。










開閉可能なボンネット下には、排気量3ℓの直列6気筒エンジンを搭載しています。世界初の燃料直噴システム(ボッシュ製燃料噴射ポンプ/PES6KL70/32OR2)を組み込んだM198型のレブリミットは6400rpm。最高出力は215hp/5800rpm、最大トルクは28.0kg・m/4600rpmを発生しました。搭載に関しては、ボンネット高を抑えるために左に40度ほど傾けてエンジン本体を設置していました。
メルセデス・ベンツの象徴ある“Sport Leicht(軽量スポーツ)”、すなわち「SL」のヒストリーは、第2次世界大戦が終結してから7年ほどが経過した1952年にスタートします。この年、社内コード“W194”を付けたプロトタイプレーシングマシンの「300SL」がデビューします(この時点でのSLは“Super Leicht”=超軽量を意味していました)。このレーシングカーが今回のモデルの原点です。レーシングマシンは車重が約870kgと軽く、300リムジン(W186)用をベースに専用チューニングを施したM194型2996cc直6OHCエンジン(171hp)によって強力なパフォーマンスを発揮しました。
300SLはデビュー・レースの1952年ミッレミリアで2位と4位を獲得。続くスイス・グランプリでは、見事に初優勝を果たします。さらに、ル・マン24時間レースでは1-2フィニッシュを達成。世界一過酷な公道レースといわれるカレラ・パナメリカーナ・メヒコでも激戦の末に優勝を飾りました。
ちなみに215hpの最高出力は、当時世界最強レベル。この時代のスポーツカーの代表格である1950年代のシボレーコルベットは約150hp、ポルシェ356は約130hpにすぎませんでした。300SLは、いわばスーパースポーツというべき存在で、最高速度は230km/hを大幅に超え、ファイナルギアレシオ3.25仕様では260km/hを誇りました。モデルキットは、この高性能が実感できる入念な作り込みを行なっております。
軽量構造のチューブラーフレームは、オリジナルのレーシング300SLを継承しています(下の写真をご覧ください)。このフレーム構造が軽量を生むポイントとなっており、明確な個性を生み出しました。独自のフレーム構造のため、ドアシル部は非常に幅広く、高さもシートよりも高くなっています。この構造から、アイコニックなガルウイングドア・デザインが生まれました。
300SLはルーフ部まで大きく開口するガルウイングにより、パッセンジャーの乗降性を計算したのです。それだけではありません。デザイナーはステアリングホイールを前に倒す構造に工夫。より多くのレッグルームを確保しました。ちなみに女性の購入者にはスマートな乗り降りのためのプライベートレッスンまで提供されたとか! 以下の画像では、美しい象牙色のステアリングホイールとギアスティックも見ることができます。
インスツルメントパネルは機能的なデザインです。大型のVDO製スピードメーターとタコーメーター、燃料計/油圧計/水温計/油温計の小型補助メーターをレイアウトしていました。多数のボタン、スイッチ、ダイヤルがありますが、いずれもラベルはありません。それは、オーナーならば、きちんと操作ができる、という前提だったからです! Agora Modelsの組み立て説明書では、ボタンなどの詳細な機能を説明しています。ご安心ください。
発売当時、300SLは世界で最も高性能な“夢のスポーツカー”でした。そのため世界的に著名な人々がオーナーリストに名を連ねていました。エルビス・プレスリー、ソフィア・ローレン、クラーク・ゲーブル、そして日本では、あの石原裕次郎さんが愛したクルマとして有名です。石原氏の愛車はクーペタイプの300SLながら、後期型のオープンタイプのロードスターの楕円ヘッドライトを組み合わせていたそうです。








300SLのボディワークは信じられないほど美しくまとめられています。300SLは史上最も美しいクルマの1台と世界中で評価されています。特徴的なディテールのひとつに、エンジンの熱を逃がすフロントフェンダーのサイドベントがあります。さらにホイールアーチの上部には独立したプレス部材、通称“アイブロウ=眉毛”をレイアウトしています。このアイブロウは、雨水がタイヤから跳ね上がってフロントガラスにかかるのを防ぐ効果があると言われています。
300SLクーペの生産台数は僅か1,400台。この希少車をAgora Modelsのモデルキットで愛車にされてはいかがでしょうか?
Agora Models本社での組み立て検証が完了。下の写真をご覧ください。細部に至るまで妥協せずに実車を忠実に再現しています。